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全国初農地でソーラー 市原、営農と同時に発電 農村活性化に期待 転用に新指針
農地の“上”で太陽光発電を行いながら、地上で作物も栽培する「ソーラーシェアリング」を導入した全国初の発電所が先月、市原市で稼働した。農家は発電と営農で収入が得られ、東日本大震災後の課題である再生可能エネルギーの安定供給も期待できる。農水省が3月、同事業導入の仕組みをつくるなど、その可能性に注目が集まる。
実家の市原市下矢田の畑に「上総鶴舞ソーラー発電所」をオープンした会社経営、高澤真さん(50)は、スマートフォンで時間発電量をチェック。快晴の午後2時の発電量は25キロワット時。「5月に入るともっと増える」と笑顔を見せる。
同発電所が採用する「ソーラーシェアリング」は、太陽光発電と営農を同時に行う仕組み。作物にとって余計な太陽光は成長を阻害し、むしろ有害−という“盲点”に着目した元農機具メーカーの長島彬さん(70)=川崎市=が開発した。
ポールを建て、地上部にソーラーパネルを設置。日当たりが良く光量も十分の農地に装置による日陰ができるが、作物は余分な太陽光を受けない良好な環境で育つ。地温も下がり農業用水を節約できる。